JR宝塚線(福知山線)脱線事故から間もなく20年となる中、大規模な事故を起こした企業に対する刑事責任追及を目指す「組織罰」の導入をテーマにした講演会が開かれました。5日に関西大学梅田キャンパスで行われたこのイベントは、「組織罰を実現する会」という遺族団体によって主催され、約30人の参加者を集めました。
「組織罰を実現する会」の代表である大森重美さんは、事故の犠牲者の一人として長女の早織さんの死を悼みつつ、「悲惨な事故が再び起こらないように」という思いから講演を行いました。彼女はまた、被害者の遺族としては「事故から20年経つと風化してしまう可能性があるため、機会があれば声を上げていく」と述べました。
この脱線事故の検証に携わった関西大学名誉教授の安部誠治氏も講演に参加し、「安全システムや規制を作ることだけでなく、それらが組織内で定着していくことが大切だ」と強調しました。彼はまた、企業内での人づくりと教育が重要な点だと述べました。
この種の事故を未然に防ぐためには、企業の法的責任を明確にすることも一つの解決策となるかもしれません。