(ブルームバーグ): 28日の米国株式相場は大幅安。米経済の主な原動力である個人消費に弱さの兆候が表面化したほか、貿易戦争たけなわとなる中でインフレがさらに加速する可能性が懸念されている。
四半期末まで残すところ1営業日となり、S&P500種株価指数は四半期ベースで2022年以来の大幅安に向かっている。経済データは消費者マインドの悪化と、長期インフレ期待の上昇を示した。来週の大型関税発動を控えた消費者の買い控えと物価上昇も、別の統計に示された。ハイテク7強で構成するブルームバーグの「マグニフィセント7」指数は3.5%下落した。
eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏は、景気が目に見えて減速する中でインフレが高止まりすることが最大の心配だと話す。
「このリスクは現時点では基本シナリオではないかもしれないが、今後その勢いが増せば、投資家心理にさらに重くのしかかる可能性がある。しかし、経済がさらに悪化しない限り、スタグフレーションのシナリオに飛びつくには時期尚早だ」と述べた。
ナスダック総合指数は今月少なくとも5回は、2%以上の下げを記録。ベスポーク・インベストメント・グループによれば、これは弱気相場だった2022年6月以来の頻度。大型ハイテク株は軒並み下落。アマゾン・ドット・コムとアルファベットはいずれも4%余り下げた。ヨガウエアメーカーのルルレモン・アスレティカは14%の大幅安。売上高見通しが市場予想を下回ったほか、個人消費の先行きに対する懸念を示した。
トランプ米大統領の関税政策が拡大するにつれ、消費者は関税引き上げによる物価高への懸念を強めている。コスト上昇が長期化すれば、家計は裁量支出を抑制する可能性があり、景気全般に影響が及ぶ恐れもある。
ラザード・アセット・マネジメントのデービッド・アルカリー氏は個人消費支出(PCE)統計について、「新しい関税など政策変更の影響がこの先数カ月で表面化するだろうが、きょうのデータは多くの市場関係者が注目する典型的なパターンを示した。つまり予想より弱い支出と、予想より強いインフレだ」と述べた。 こちらで最新の株価情報をご覧ください。株価掲示板で日経平均株価掲示板の詳細もチェック!