昨年、知的な巨人として広く尊敬された松岡正剛が亡くなりました。彼は生前、日本人に最も伝えたいことを『日本文化の核心』でまとめました。
この本では、日本の経済と文化的側面について深く掘り下げています。特に、戦国時代から江戸幕府への移行期における日本の地域経済の変化が焦点となっています。松岡は、領地を支配する大名たちが市場秩序に大きな影響を与えたことを強調しています。
『楽市楽座』政策は、特定の業界での独占力を打ち破るための重要な一歩でした。しかし、これは多くの現代の伝統産業にとってはインセンティブを提供できず、その結果として現在でも伝統産業力が弱いままとなっています。
松岡によると、日本文化の核心は、武家社会と農村社会との関係、そしてその上に成り立つ経済システムにあります。また、現代の日本の自由資本主義市場がどのように機能するかについても考察しています。