全国で2番目の勢力を誇る指定暴力団・住吉会の東京・新宿にある本部事務所が移転する可能性があることがわかった。警察庁によると、住吉会の構成員と準構成員は約3,200人とされ、山口組に次ぐ規模だ。
2023年11月、都公安委員会によって本部事務所として認定された新宿区のマンションだが、昨年6月には近隣住民からの申請を受けて東京地裁が使用を禁じる仮処分が出されている。その後、本部事務所からは8月までに複数回、荷物の搬出が確認され、「大きな机を運び出してくれる業者が見つからない」などの理由で完全には退去していなかったという。
住吉会側はその後、近隣住民の弁護士に対して売却の意向を示したとされ、年末から年明けにかけて複数回、部屋の内見を受け入れた。住民側の弁護士は「完全退去に向け、働きかけや交渉を続けていきたい」と話している。
昨今、暴力団勢力全体が2万人を下回る中、SNSを通じてゆるくつながる匿名・流動型犯罪グループ(匿流)の摘発が増えている。専門家はこの動きを「潜在化」の一環と指摘している。