(ブルームバーグ): 28日の米国株式市場では、S&P500種株価指数の下落率が今年2番目の大きさとなった。 米消費者のセンチメントが落ち込む中、相次ぐ関税がインフレをあおるとの懸念が再燃し、リスク資産が急落した。
下げが目立ったのはハイテク株だ。投資家は過去2年間にわたり勝ち組だった銘柄に対する売りを加速させている。エヌビディアや「マグニフィセント・セブン」、米ソフトウエア開発パランティア・テクノロジーズ、ソーシャルメディアの米レディットなどだ。
人工知能(AI)向けクラウドサービスを手がける米コアウィーブの新規株式公開(IPO)が期待外れに終わり、IPO市場を巡る懸念にも拍車がかかった。
S&P500は28日に2%安となり、年初来では3月10日の2.7%安に次ぐ大幅な下げを記録。ナスダック総合指数の下落率は2.7%に達した。両指数とも四半期ベースでは2022年以降で最悪のパフォーマンスとなる見込み。恐怖指数として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は21を上回った。
米10年国債利回りは4.26%に急低下し、金は1オンス=3110ドルを上回った。
S&P500は過去最高値を付けた2月中旬以降、圧力にさらされている。トランプ米大統領が4月2日に発表を予定している相互関税を巡り、懸念されていたほど広範かつ深刻なものにはならないとの見方が広がり、ここ数週間は売りが和らいでいたものの、3月26日に自動車への輸入関税賦課を命じる布告にトランプ氏が署名したことを受け、関税による消費者物価の上昇および経済成長への悪影響に対する警戒感が再び高まった。
消費者心理を示す指標は悪化しており、長期のインフレ期待も32年ぶりの水準に上昇している。
ソラス・オルタナティブ・アセット・マネジメントのチーフストラテジスト、ダン・グリーンハウス氏は「投資家は依然として関税について神経質になっている。シンプルな話だ」と指摘。「このような不確実性の高い環境では、人々は最悪の事態に焦点を絞り、リスクの軽減を選択する。リスク資産がこれほどまでに急騰した後ならなおさらだ。それほど複雑なことではない」と述べた。 こちらで最新の株価情報をご覧ください。株価掲示板で日経平均株価掲示板の詳細もチェック!