政府は3月31日、南海トラフ巨大地震に関する新たな被害想定を公表しました。最悪の場合、死者数が約29万8000人に達し、全壊や焼失する建物が235万棟を超えると予測しています。この数字は、前回の10年以上前の想定と比較して僅かながら減少していますが、「減災目標」を大幅に下回る結果となっています。
被害想定では、地形データの更新により津波の浸水域が拡大していることが明らかになりました。これにより、住宅や公共施設の耐震化が各地域で進んでいないという問題点も浮き彫りとなりました。
名古屋大学名誉教授の福和伸夫氏は、この結果について「徹底的な建物の耐震化が必要」と述べています。政府は今後、各地での対策を強力に支援していく方針です。