米国のトランプ大統領が3日未明(現地時間2日夕)、全ての国に一律10%の関税と「米国に対し不公正な貿易慣行のある国」に対する相互関税を導入すると表明しました。この中で、日本の税率は自動車・部品を除いて24%となりました。これについて、東海東京インテリジェンス・ラボの杉浦誠司シニアアナリストに話を聞きました。
「トランプ大統領の演説は政治ショーそのもので、自動車業界の労働者を会場に呼んでいた。日本など多額の貿易黒字を計上する国々が『悪党』とされてしまった」と杉浦アナリストは率直な感想を述べています。
株価については、「国内だけでなく、下請け会社や素材産業などの株価も下落しており、回復には時間がかかるだろう。また米国の自動車大手も巻き添えで株価が落ちている」と指摘しています。日経平均株価は3日の朝から前日に比べて1000円以上下げています。
業績への影響については、「製造年度の変更期に値上げを検討する必要がある。しかし、為替相場が1ドル=150円を超えると、利益確保は難しくなる」と説明しています。
また、中小企業が多い部品メーカーについても「公正取引委員会の厳しい姿勢もあり、価格転嫁が従来よりもやりやすくなっている」と述べ、「倒産急増は考えづらいものの、人員削減などのリストラに着手する可能性もある」としています。
最後に、高関税による物価上昇は日本国内での消費低迷につながる懸念があり、「賃上げが物価上昇のペースに追いついていない現状では、消費を抑える要因となる可能性が高い」と指摘しました。