東京・中央区の人気居酒屋「あいしてます」では、沖縄から運ばれてきた新鮮な刺身が客たちを魅了している。この刺身の新鮮さを保つ秘訣は沖縄で獲れた魚を直ちに特殊なシャーベットアイスに入れるという手法にある。
国頭村では、キハダマグロやカジキを活け締めしてから、このシャーベットアイスに入れて冷やす。これにより鮮度が保たれ、東京だけでなく遠くの東南アジアへも新鮮なまま魚を運ぶことができるようになった。
高砂熱学工業はそのシャーベットアイスを開発した会社だ。この技術のおかげで漁業者は価格を大幅に引き上げることができ、収入も倍増しているという。
また、同社の本業は大規模な建物や施設の空調設備の設計と施工であり、「東急歌舞伎町タワー」や「国立競技場」など数々の大手プロジェクトを手がけている。その売り上げは3600億円を超え、業界でもトップクラスの企業だ。
こうした多岐にわたる事業展開によって、高砂熱学工業は新たな技術を開発し続ける力を得ており、「ないものを創造する」ことが得意だと社長は話している。