アマゾン・ドット・コムが、人気動画共有アプリTikTokのアメリカ市場における事業権をホワイトハウスに提案したことが分かった。複数の関係者の話として、アマゾンは今週末までに期限となるこの買収案について、副大統領マイケル・バンス氏と商務長官ウィリー・ラトニック氏に対して書簡を提出している。
しかし現時点で、政権側の関係者は同提案が真剣に受け止められているかどうか疑問視しており、アマゾンからのコメントは控えている。ニューヨーク・タイムズ紙もこの件について報じていた。
今回のニュースを受け、アマゾン株価が一時2%上昇している。これにより、他の潜在的な買い手にとって買収価格を引き上げるプレッシャーになる可能性もある。また、アマゾンの交渉参加によって、同社はTikTokの財務状況や電子商取引部門である「TikTok Shop」に関する詳細な情報を入手できるかもしれない。
大統領ドナルド・トランプ氏は2日午後にバンス副大統領ら政権高官と会議を開く予定で、この中で他の提案についても検討される見込み。オラクルやブラックストーンなど複数の企業が合弁事業への参加を模索している。
TikTokは中国の字節跳動(バイトダンス)によって所有されており、米議会は昨年国家安全保障上の懸念から事実上の禁止法を可決。それによれば、米国での運営が許されるのは米企業への売却時のみとなる。
もしトランプ大統領が買収提案を承認した場合でも、親会社であるバイトダンスと中国政府の承認が必要になる。ただ、現時点でこの二者の関与状況は不明なままだ。