今週のニューヨーク株式市場は、トランプ関税を巡る不透明感が重しとなり、不安定な動きが予想される。先週は、ダウ平均が497.16ドル高(+1.20%)と3週間ぶりに反発し、S&P500は0.51%高、ナスダック総合は0.17%高と5週間ぶりにプラス圏となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内2回の利下げ見通しが維持されたことが安心感につながり、関税に関する新たな悪材料が出なかったことで買い戻しが進んだ。
ただし、3月月初来で見ると、ダウ平均は4.23%安、S&P500は4.82%安、ナスダック総合は5.64%安と3指数とも下落し、年初来でもマイナス圏となっている。
今週の焦点
今週は、トランプ関税の発動を巡る不透明感が市場の重しとなる可能性が高い。4月2日に予定されている自動車関税や相互関税の詳細が不明確なため、市場の警戒感が継続する見込み。さらに、物価や景気の動向を示す重要な経済指標にも注目が集まる。
注目指標・イベント
物価関連: 3月29日(金)に発表される2月個人消費支出(PCE)価格指数。特に、FRBが注視するコアPCE価格指数が発表され、利下げの可能性が焦点となる。
景気関連:
3月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値(3月25日 月曜)
3月消費者信頼感指数、2月新築住宅販売件数(3月26日 火曜)
10-12月期国内総生産(GDP)確報値(3月28日 木曜)
新規失業保険申請件数(3月28日 木曜)
3月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(3月29日 金曜)
今晩の経済指標
本日発表される指標として、2月シカゴ連銀全米活動指数、3月S&Pグローバル製造業・サービス業・総合PMI速報値がある。企業決算の発表は予定されていない。