1日の米国市場でS&P500種株価指数が続伸した。主要なテクノロジー銘柄の活況を背景に、全体的な相場が持ち直している。トランプ大統領による関税発表前に出た弱い経済指標を受け、市場では利下げ期待が広がっている。
ナスダック100指数は0.8%高で終了した一方、S&P500種は朝方、ISM製造業指数や求人件数の結果を受けて1%下落する場面もあった。マグニフィセント・セブン(ハイテク7強)の指数は5営業日ぶりに反発した。
投資家たちは来週に控えたトランプ氏の関税発表を前に、ボラティリティーの高い状況が続いている。不透明な市場環境から、エコノミストによる成長見通しの下方修正や中央銀行の政策判断にも影響が出ている。
シティー・インデックスのファワド・ラザクザダ氏は、「関税発表日を前にしたセンチメントは脆弱」と指摘。「新たな関税措置の規模がまだ明らかになっていないことから、投資家は慎重な姿勢を崩していないとみられる」と続けた。
2日に予定されているトランプ大統領による関税発表では、相互貿易やその他の対象となる品目について詳細が明かされる見込みだ。これにより過去の事例でも有名なスムート・ホーリー関税法を上回る規模での影響が出る可能性がある。
HSBCのストラテジスト、マックス・ケトナー氏は、「解放の日と銘打たれた2日の発表が不確実性の終焉となるとは考えにくい」と述べた。「むしろ新たな関税計画によって市場の不透明感が広がり、主要株価指数の弱さが長期化すると予測している」と付け加えた。