米経済のリセッション（景気後退）リスクが増大する中、世界最大級の債券運用会社であるパシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー（ピムコ）は、世界の債券市場を「安定したリターンの源泉」と位置付けている。同社は、トランプ政権の貿易やコスト削減、移民に関する強硬政策が予想以上に米経済を鈍化させ、労働市場にも悪影響を及ぼす可能性があると警告している。
ピムコは投資家に対してポートフォリオを安全な資産へ移動することを推奨しており、「インカム・ファンド」の運用成績が今年に入ってから3.3％の上昇を記録するなど、その予想は既に当たっている。同社のエコノミストであるティファニー・ワイルディング氏と世界債券担当最高投資責任者アンドルー・ボールズ氏はリポートで、「米国株から離れ、質の高い世界の債券へ投資を分散するべき」と指摘し、「債券が株式を上回るパフォーマンスを見せ、リスク調整後でもより望ましい結果をもたらす期間が複数年続く可能性がある」と述べた。
1-3月のデータでは、米国債は2.9％上昇した一方で、S&P500種株価指数は4.6％下落している。また、10年債利回りは現在4.15%近辺と、「景気循環に基づく予想レンジ3.75-4.75％」の中間に位置している。
ピムコの見解によれば、今後リセッションリスクが高まり、市場が追加利下げを織り込む可能性がある場合は10年債利回りは低下するという。同社は世界の債券市場全体での分散投資を重視しており、特に英国とオーストラリアの金利エクスポージャー増加を選好している。
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