日本製鉄は19日、約2兆円を投じて米国の鋼鉄大手企業USスチールを完全子会社化し、この歴史的な買収を完了しました。同社の橋本会長は本社で開かれた記者会見で「アメリカ市場には非常に大きな可能性があり、今後も成長が見込める」と強調。中国製品の安価な輸出により世界中が直面している課題に対しても、「この影響を最小限に抑えることができると考えられる極めて有望な市場だ」と述べました。
一方で、買収は米政府が拒否権を持つ「黄金株」を持つなど経営に一定の制約を持ちますが、橋本会長は「コミットした事業をさらに拡大していくので全く支障はありません」と語り、自由度の確保とUSスチールの立て直しに向けて意欲を見せています。
今後の課題となるのは、この巨額投資が想定通りの収益につながるかどうか。日本製鉄は経営の自由度を維持しながらも、USスチールの事業改善と新たな成長を見出すことが求められます。