BYDの株価は上昇の一途を辿っている一方で、トヨタ自動車の株価は下落が続いている。この明暗分かれる2社の動向を見ると、グローバルな自動車産業の中で、中国企業の成長力が際立つことが分かる。
BYDの株価は3月31日時点で392.80香港ドルと、過去最高値を記録したトヨタ自動車(2024年3月27日の終値:3891円)との比較で約85%高い。BYDの業績は急拡大しており、2024年12月期には売上高が前年度比29%増、純利益も34%増となっている。
一方、トヨタ自動車の株価は過去最高値から約1年で33%下落している。この傾向は日本の株式市場全体にも影響を与えている。株価低迷の主な原因としては米国関税ショックが挙げられるが、それ以外にもトヨタ自身の問題や日本製造業の構造的な課題があるかもしれない。
中国では新エネルギー自動車(NEV)の販売台数が大幅に増加しており、BYDはこの分野で国内シェア33.2%を獲得している。三電システムの自社開発や垂直統合モデルの追求により、高い競争力と生産体制を築き上げている。
中国政府による新エネルギー車への支援政策も追い風となっており、BYDは油電同価戦略を通じて市場拡大に貢献している。こうした状況下で、トヨタ自動車や他の日本企業にとって今後の動きが注目されるところだ。