10日の午前中、東京外国為替市場では、株高を背景にドルの対円相場(気配値)が一段と高水準となった。一時的な乱高下があったものの、実需筋からの買いや日経平均株価の上昇によって145円台前半まで上伸した後、正午にはやや伸び悩む様子も見られた。
前日の市場では、欧州時間にドルが売り込まれた反動から買い戻され、米国時間の序盤には一時的に144円70銭台へと浮上。しかし、この水準では戻り売りが目立ち、その後はやや下押しし144円50銭台で取引を終えた。
東京市場でも同様の動きがあり、早朝から144円50銭台でのもみ合いが続いた。しかし、実需筋からの買い意欲と日経平均株価の上昇による「リスク選好的な買い」が強まり、午前9時以降には一時的に145円20銭台まで伸ばした。
株価掲示板や日経平均株価掲示板では、米中貿易協議の進展期待から上昇基調が強まり、これに伴ってドル円も上値を追う動きを見せた。また、植田日銀総裁の国会答弁も支援要因となり、市場は物価上昇率2%への到達がまだ遠いとの認識を示した。
ユーロ対円では、正午現在165円20~21銭と前日の水準から若干上昇している。一方、ユーロ対ドルではやや軟化し、1.1398~1399ドルのレンジで取引されている。
市場関係者からは、「145円台に定着するためには新たな材料が必要ではないか」との見方もある。今後の動きに注目が集まっている。