三重県紀北町では、現職の東篤布(ひがしあつのぶ)町議に対する告発状が出された。これは2023年8月に地域住民から条例違反の盛り土があると訴えられたことがきっかけとなり、その結果、町議会の政治倫理審査会にもかけられることになった。
東篤布町議は過去4回当選しているが、このたびの事件では条例を無視し続けたとして批判を集めている。告発状は5月14日に尾鷲署に提出された。
告発事実は「生活環境の保全に関する条例(環境保全条例)」への違反であり、1千平方メートル以上の埋め立てには必ず町への届け出が必要だが、この条例に基づいた手続きが一切行われていなかった。また、地元住民との事前説明会も開かれていない。
2カ所での盛り土は合計約6千平方メートルに達し、これらの現場では道路から数メートル積み上げられた建設残土が見られる状況となっている。町からの撤去命令にも従わなかったため、告発という最終手段に出ざるを得なくなった。
地元自治会の小西正弘さんは「近隣には水道の水源地もあり、盛り土による環境への影響が心配だ」と語る。住民たちにとっては、この問題は地域の安全と環境を脅かす重大な事案である。