米国の保守系メディアであるニュースマックス(Newsmax)が3月31日、ニューヨーク証券取引所に上場し、株価は公開価格の8倍以上に急騰。時価総額は73億ドル(約1094億円)を突破した。同社のティッカーシンボル「NMAX」で取引が開始され、IPO価格10ドルに対し14ドルで始まった株価は、その後午後4時前までに700%以上上昇。この日、終値は82.25ドルをつけた。
ニュースマックスの上場初日の動きは、ニューヨーク・タイムズやCBSなどの親会社の時価総額を上回る結果となり、さらに放送局を多数所有するTegna(テグナ)とSinclair(シンクレア)の合計の時価総額を超えた。株式市場ではこの日大変な注目を集めたが、他の保守系メディア企業の動向も連想させた。
一方で、トランプ前米大統領が設立したTMTG(トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ)の株価は昨年3月に上場初日に56%急騰し、その後も波乱含みの値動きを続けていた。また動画サイトRumbleの株価も同様に不安定な動きを見せており、年末には一時最高値をつけたが、その後は下落傾向にある。
一方、ニュースマックス自身もこの日750万株を1株10ドルで売り出し、IPOでは7500万ドル(約112億円)を調達。また先月には優先株の私募でも2億2500万ドル(約340億円)を調達していた。
このように、ニュースマックスはケーブルテレビを基盤とするニュースネットワークでありながら、YouTubeのようなストリーミング収益に頼らない点で他のメディア企業と異なる特徴がある。