米国の家計が支出を減らして貯金をする動きが増えている。これにより、米国の貯蓄率は8カ月ぶりに最高水準となり、景気見通しが不確かになると財布を開かなくなったという状況だ。米商務省によると、先月の米国家計の貯蓄率は4.6%と2024年6月以来8カ月ぶりの高水準を記録した。消費性向が強い米国の貯蓄率は通常2、3%台であり、最近の上昇は景気不安によるものだ。
この状況にはトランプ新政権の政策リスクも影響を与えている。経済見通しが不確実になると消費心理は冷え込み、3月の米国消費者信頼指数は4年ぶりに低下した。CBが集計した消費者期待指数も2013年以来の低水準となり、短期景気見通しを示す指標が80を下回った。
さらに株価の急落も消費不振の一因となっている。金融資産比率が高い米国の家計は、株式市場の調整に伴い消費を減らす傾向があるとDS証券のエコノミストは指摘する。富の効果が失われた場合、貯蓄率はさらに上昇すると予想される。
今後、米国の家計が支出を抑えていくと消費関連指標も鈍化するとみられる。しかしトランプ政権による経済見通しの不確実性や高い物価上昇率から利下げなどは難しい状況だ。
梨花女子大のソク・ビョンフン教授は、消費が米国の経済全体に占める割合を考慮すると、今後の景気鈍化の可能性が高いと警告している。