積乱雲が連続的に発生し、帯状に広がる線状降水帯は、大雨や洪水のリスクを高める要因となっています。これまでは発生予報を行うことができましたが、正確性には課題がありました。例えば、昨年の9月における能登半島豪雨も前兆を見逃すことが多く、見逃し率が6割を超え、「的中」する確率は1割程度にとどまっています。
気象庁は、この状況を改善すべく新たな方法を導入しました。航空機を利用して海上の水蒸気量を直接観測することで、より精度の高い予報が可能になると期待されています。これは、線状降水帯の形成過程における重要な因子である水蒸気分布を詳細に把握するためです。
この新システムの導入により、早期警戒情報や避難勧告など、住民への対応の質とタイミングが向上すると期待されます。一方で、新たな観測データを活用した予報モデルの開発も急務となります。