3月31日、ドナルド・トランプ大統領による関税引き上げに対する懸念と景気後退への危惧が相まって、主要株価指数は厳しい一日となった。S&P500種株価指数とナスダック総合指数は2022年12月以来最大の月間下落率を記録し、四半期としては2022年以来最悪の結果となった。
この日、米国の主要株価指数は揃って下落。ダウ平均株価とS&P500は前日比でプラスに持ち直したものの、ナスダックは小幅マイナスだった。テスラやエヌビディアなどハイテク株の値動きが特に悪かった。
3月と第1四半期におけるS&P500の下落率は6%と5%で、ダウ平均株価もそれぞれ5%と2%下落した。この下げ幅により、S&P500は2月初旬の史上最高値を10%以上割り込んだ。
ゴールドマン・サックスはトランプ大統領の関税政策がインフレ悪化や景気後退につながると警告。S&P500指数の今後の目標株価も引き下げられた。
一方で、安全資産として金の需要が増えている。3月31日に史上最高値を更新し、2025年第1四半期には20%近く上昇した。
トランプ大統領は就任当初に規制緩和や法人税引き下げへの期待が株価上昇につながったものの、その後の関税引き上げなどによる不確実性が投資家の不安を煽っている。