今週の新興市場は堅調に推移し、日経平均株価が+1.68%上昇するなか、グロース市場指数は+1.23%、グロース市場250指数は+1.19%と続伸した。押し目買いを背景に戻りを試す展開が続き、グロース市場指数は5日続伸を記録したものの、時価総額の大きい主力株はやや軟調だったため、グロース市場コア指数は小幅な下落となった。
個別銘柄では、決算発表後に売られていたGENDA<9166>が値を戻し、カバー<5253>も堅調に推移。一方で、西友買収を材料に買われていたトライアルHD<141A>は売り優勢となり、インテグラル<5842>やジーエヌアイグループ<2160>も軟調だった。時価総額上位銘柄以外では、ペルセウスプロテオミクス<4882>やサンバイオ<4592>といったバイオ関連銘柄の一角が活発に取引された。
IPO市場も活況を呈し、今週はTalentX<330A>(グロース市場)、JX金属<5016>(プライム市場)、メディックス<331A>(スタンダード市場)、ミーク<332A>(グロース市場)、パパネッツ<9388>(福岡Qボード)といった新規上場銘柄が登場した。特にTalentXは公開価格を36.8%上回る初値を付けるなど、短期資金がIPO市場に向かう動きが鮮明となった。
■来週の見通し:短期資金の流れと主力株の動向に注目
来週は27日が配当・優待の権利取り最終日となることから、プライム市場の大型株に関心が集まり、新興市場の主力株の取引が減少する可能性がある。一方で、グロース市場250指数は25日移動平均線(25MA)を明確に上回っており、2月13日の取引時間中の高値693.92ポイントを意識した展開になることも期待される。今週軟調だったトライアルHDやジーエヌアイグループが値を戻せるかも焦点となる。
また、来週は24日にミライロ<335A>(デジタル障がい者手帳)、25日にビジュアル・プロセッシング・ジャパン<334A>(コンテンツ制作)、27日にダイナミックマッププラットフォーム<336A>、Zenmu Tech<338A>(セキュリティソリューション開発)、28日にプログレス・テクノロジーズ グループ<339A>(デジタルソリューション)、トヨコー<341A>(塗装事業)といったIPOが続く。これにより短期資金の流出入が活発化し、新興市場全体の商いも賑わう可能性がある。
特にバイオ関連銘柄は今週一部銘柄が動意づいたが、来週は多くのIPOが控えているため、資金の流出には注意が必要だ。掲示板などでも投資家の関心が高まる可能性があり、各銘柄の値動きを注視したい。