総延長850キロ余りの9路線を持つJR四国は、2023年度に深刻な問題に直面しています。1日あたりの輸送人員は約10万8000人と、30年間で4割減少しました。この傾向は9路線のうち8路線が赤字状態にあることを引き起こし、全体的な収支比率では100円を稼ぐためには157円が必要という厳しい現実に直面しています。
さらに深刻なのは人手不足です。団塊の世代の大量退職により、現場で働く社員数はこの10年間で3割減少しました。運転士の確保が難しくなり、今年3月のダイヤ改正では23本の運行を削減する結果となりました。
これらの問題はJR四国だけでなく、地方鉄道全般に広範な影響を与えています。経営状況の悪化や乗客数の減少が相まって、地域コミュニティにとって欠かせない公共交通機関の維持が困難になっています。