名古屋大学医学部附属病院は、患者さんの安全と質の高い医療を提供するため、いわゆる『ヒヤリハット』などの近接事故やエラーに関する報告を推奨しています。この取り組みの一環として、専用システムを通じた簡便な報告方法の導入や普及活動が行われており、その結果20年以上にわたって見事な成果を挙げています。
具体的には、過失の有無に関わらず幅広い範囲で報告を求めることで、医療事故防止への意識向上と行動変容を促進。専用システムは5分程度での簡単入力が可能となっています。これにより、2024年度におけるヒヤリハットなどの報告数は1万4千件を超えており、20年間で約4倍に増加しています。
この取り組みの背後には、医療現場でのコミュニケーション強化と情報共有の重要性があります。医師や看護師だけでなく患者さんも積極的に参加するよう呼びかけています。さらに、報告数の急増は、安全文化が根付いた証でもあり、他の医療機関への影響力も期待されています。
名古屋大学医学部附属病院の取り組みは、日本の医療界における安全意識向上の一例として注目を集めています。これは単なる報告数の増加だけでなく、患者さんとスタッフが共に信頼を築きつつ、より安全で質の高い医療を提供するためのプロセスそのものと言えるでしょう。