パナソニックホールディングス(HD)は、2024年度第3四半期決算発表で大規模なグループ経営改革を実施すると発表した。楠見雄規社長によれば、同社の主な課題は「重点投資領域での不振」「各事業会社の成長投資が収益に結びついていないこと」そして「間接機能強化による全体固定費増大」という三つの点にあるという。
決算発表では、連結売上高は前年同期比1%減の2兆1526億円となったものの、営業利益は4%増加した。この状況下でなぜ改革が必要なのか?楠見社長は「パナソニックが30年間成長できていない」「市場からの厳しい目」と説明し、「今こそ変革の時だ」と語った。
特に注目されるのは、持株会社化時に家電復建を目的に設立された事業会社「パナソニック」の解消と再構築が計画されていることである。これにより、同社は今後、「リーンな本社・間接部門を実現し固定費構造を改革する」という目標を達成すべく取り組みを開始することになる。
一方で、20年前の時価総額とほとんど変わらないパナソニックHDに対して、家電大手として競合したソニーは約5倍に成長している。これに対し、楠見社長は「ソニーショック」後のスクラップ・アンド・ビルドや選択と集中を繰り返してきたソニーとの差異を指摘。「当社も今こそ変えるべきだ」との言葉とともに改革への決意を表明した。