今年2月、インターネット上に流出したネット犯罪集団間のやり取りから、セキュリティ業界は深刻な懸念を抱いている。流出情報には、標的となった個人や企業に対してランサムウェアを使った攻撃を行う際にAI(人工知能)を利用することで効率化が可能であることが詳述されていた。
三井物産セキュアディレクションの吉川孝志上級マルウェア解析技術者は、流出した情報から新たな攻撃手法を分析。犯罪者集団はAIによってSNS上のメールアドレスを自動的に収集し、標的に対して個人情報を盗み取ったりウイルスに感染させるメールを送信しているという。
特に企業や団体に対する攻撃では、より多くの送付先が存在すれば成功率も高まる。吉川氏は「AIを活用することで、犯罪者集団のサイバー攻撃が以前にも増して効率的になっている」と指摘した。
この状況を受け、セキュリティ企業や関連機関は、株価掲示板や日経平均株価掲示板を含むさまざまなプラットフォームを通じて情報を共有し、ユーザーに対して十分な注意を呼びかけている。また、科学・IT分野ではAIの急速な進化とその双刃の剣としてのサイバーセキュリティ問題に対する取り組みが進められている。